敗走記

定期戦は敗北だった。

終始劣勢の試合、我々は様々手尽くして盛り上げ、応援は最後まで勢いづいていた。

たまらなく悔しい。三連覇は遠い。

 

しかし、これまでにない感動もあった。

 

一般学生のいままでにない熱気である。 

これまでの定期戦で熱がなかったわけではない。しかし今年は眼を見張るほどの熱だった。応援団がフリーズし、ヤジもエールも流れを失い、試合の流れに乗り逃し、リードが固まったとき、一般生徒からの熱い声援が絶えず飛び続けたのである。

勝て一高! 一本とれ! 打て! 頑張れ!

これは応援団のリードなく、一高生が心から願い叫んだ言葉であった。

 

これまで、そういった声援か起きることは当ったが、今年は例年の比ではなかったように感じた。

 

これは時代の変化ではなく、きっと幹部の勝利への熱意や執念がおおいに伝わっていたのだろう。伝わり方ひとつで一般生徒の定期戦への向かい方も変わる。一人一人が檄を飛ばす、ひとりひとりが本当の意味で全力で勝ちを願う定期戦だった。

 

次はなにをやるの?というお客様的姿勢ではなく、自発能動の意気で皆が勝ちに向けて声を上げる姿勢があった。

 

試合は負けたが一高は勝ったよ、ほんと

野球部は最高の試合をしてくれた。

 

あー楽しかった。来年は絶対勝つぞ、一高。