微笑

 結局なんだかんだ話し合った結果、英語口頭発表はやめることになって、日本語のポスター発表になった。2年後から学振をとるためには英語発表の経歴より論文投稿数の方が重いから、やはり英語発表に取り組むより論文執筆に時間を割く方がいいということになった。

 

 多少残念であるか、自分の2年後の給料がなくなっては生きていけないので、生存のための勇退ということにしておこう。こういうとき貧しいことは辛いものだ。

 

  話は変わるが、今月号の【化学】と【現代化学】は、自分の興味を大変にくすぐる内容であった。どうも僕は広いπ系の分子の合成や、トリッキーな構造の分子の物性、あるいは特異な液晶や結晶の研究が好きなのだな。

要はわかりやすくて変なもの、多少気味の悪い形の集合体など、なんだこれ?と直感的に気をひく有機分子なのだな

「今月号は相澤が好きそうな研究多いよ」と言って雑誌を渡してきた博士の先輩はよく僕を見てるのだな。

 

そういう先輩になりたい。